ダイアモンドヘッドの裾野に広大な敷地があります。ハワイ王国第7代目の国王、カラカウア王より寄贈された土地で、1877年に公園にしてお妃の名前をとり「カピオラニ公園」とつけられました。
今日はカラカウア王のお妃、カピオラニ王妃のお話です。
カピオラニ・ナペラカプオカカエ Kapiʻolani Napelakapuokakaʻe は1834年12月31日、ハワイ島ヒロで高位クヒオ酋長とカウアイ島の最後の王の娘キノイキの間に生まれ、10代の時にホノルルに移り住みます。17歳の時に、エマ王妃の親戚で30歳以上も年上のベネット ナマケハと結婚します。流産を経験したカピオラニはカメハメハ4世とエマ王妃の息子、アルバート王子の乳母になります。
まもなくしてカピオラニが24歳の時に、夫のナマケハが亡くなり未亡人になりますが、その後にアルバート王子も４歳で病気で亡くなります。
1863年12月8日、カピオラニが27歳の時に2つ年下のディビット カラカウア David Kalākaua と再婚します。アルバート王子やカメハメハ4世の喪中でもあり、結婚式はひっそりと行われました。
それから約10年後の1874年、夫のカラカウアは選挙でハワイ王国第7代目の国王となります。
King Kalākaua, Artist A. Sommerfeld, Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
国王のお妃として、カピオラニはカラカウア王に寄り添いながらハワイの人々のために尽くす人生がスタートします。
1840年以降、ハワイではハンセン氏病が蔓延して多くの患者が出ました。ハンセン氏病の人々のために王妃はチャリティやルアウ（人々が集まる祝宴）などを開催して寄付金を集める活動を始めます。1885年、両親がハンセン氏病に苦しんでいる健康な子供達のための施設 カピオラニ ホーム フォーガールズ Kapiʻolani Home for Girls をカカアコに開設します。
カピオラニ王妃が49歳の時のことです。妹のケカウリケが亡くなり３人の王子のうちの2人を養子にします。この中の1人がクヒオ カラニアナオレ Kūhiō Kalanianaʻole です。ハワイ王国崩壊後の1901年、クヒオ王子はアメリカ合衆国ハワイ準州から初めての共和党の下院議員となり、生涯ワシントンDCにとどまり、ハワイのために活躍したことでも知られています。
Prince Kūhiō、Artist Bernard de Veas、Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
1887年、カピオラニ王妃はカラカウア王の代わりにイギリス王国に渡り、ビクトリア女王の即位50周年の記念式典に王の妹、リリウオカラニ王女と参列します。
Queen Kapiʻolaniand Princess Liliʻuokalani in London 1887 ,Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
1890年、カピオラニ王妃が56歳の時、亡き妹ケカウリケの遺言にそって、ハワイの女性がが安心して子供を産める病院を開設をします。8000ドルの資金を調達してカピオラニ産院 Kapiʻolani Maternity Homeをケカウリケの家の跡地ウルラニに建てます。現在はカピオラニメディカル病院 Kapiʻolani Medical Center for Women and Children となり、女性と乳幼児や子供のために最新技術を取り入れた専門病院です。
Kapiʻolani Medical Center for Women & Children
病院開設から半年後の1891年1月、最愛の夫、カラカウア王がサンフランシスコで崩御され、王位の座は妹のリリウオカラニに移ります。その後、カピオラニ王妃はワイキキの別荘プアレイラニで静かに余生をおくります。王朝崩壊後の1899年、ハワイが米国の準州になる1年前に64歳で亡くなり、ホノルルのマウナアラにある王家の墓にカラカウア王と共に葬られています。
Queen Kapiʻolani ,Artist Jack Bailey, Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
カピオラニ王妃の名前は公園や病院以外にも学校や道の名前、ガーデンやホテルなどにもつけられており、彼女がハワイに残した功績はこの地に生き続けています。
カピオラニ王妃の好きな言葉は「Kūlia i Ka Nu‘u」「最高のために努力をする」です。慈善活動を通して常にハワイの人々の健康、教育、幸福を探究していました。
Queen Kapiʻolani, Artist Holly Young
今日も王妃の像はカピオラニ公園に佇み、ワイキキの海を眺めながら、ハワイの人々を見守っているようです。
MOMO🌈
(撮影は2021年２月です)
