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ハワイ特集
カピオラニ王妃のお話
作成日:2022.07.12 / /最終更新日:2022.05.22

<この記事は2021年2月時点の情報です>
ダイヤモンドヘッドの麓に広がる広大な敷地。第7代ハワイ国王カラカウア王から寄贈されたものです。
1877年に公園化され、彼の妻の名をとって「カピオラニ公園」と名付けられたそうです。
今日は、カラカウア王の妃であるカピオラニ女王についてお話します。
カピオラニ・ナペラカプオカカエ(Kapiʻolani Napelakapuokakaʻe)は、
1834年12月31日にハワイのヒロで、高位酋長クヒオとカウアイ島の最後の王の娘キノイキの間に生まれました。
17歳の時に、エマ女王の親戚である30歳以上も年の離れたベネット・ナマケハと結婚しました。
流産を経験したカピオラニは、カメハメハ4世とエマ王妃の息子、アルバート王子の乳母となりました。
その後、カピオラニが24歳の時に夫のナマ・ケハが亡くなり未亡人となり、
またアルバート王子も4歳で病死してしまいます。
1863年12月8日、カピオラニが27歳の時、2歳年下のデビッド・カラカウアと再婚しました。
アルバート王子やカメハメハ4世の喪中であったため、結婚式は静かに執り行われました。
それから約10年後の1874年、夫のカラカウアが選挙によって、
第7代ハワイ王国国王に選出されました。
King Kalākaua, Artist A. Sommerfeld, Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
カピオラニは王の妃として、カラカウア王に寄り添いながら、
ハワイの人々に奉仕する人生を歩み始めました。
1840年以降、ハワイではハンセン病が蔓延し、多くの患者が出るようになりました。
ハンセン病患者の救済のために、女王はチャリティーイベントや
ルアウ(人々が集う祝宴)を開催して資金を集め、
1885年にハンセン病に苦しむ両親を持つ健康な子供たちのための施設
「カピオラニ・ホーム・フォー・ガールズ」Kapiʻolani Home for Girls を設立しました。
カピオラニ女王49歳の時に、妹のケカウリケが亡くなり、
彼女は3人の王子のうち2人を自分の養子に迎えました。
その一人がクヒオ・カラニアナオレ Kūhiō Kalanianaʻoleである。
ハワイ王国崩壊後の1901年、クヒオ王子はハワイ準州出身の初の共和党下院議員となりました。
彼は生涯ワシントンD.C.に留まり、ハワイに貢献したことで知られています。
Prince Kūhiō、Artist Bernard de Veas、Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
1887年、カピオラニ女王はカラカウア王に代わってイギリス王国に渡り、
ヴィクトリア女王の即位50周年記念式典に王の妹であるリリウオカラニ王女と共に出席しました。
Queen Kapiʻolani and Princess Liliʻuokalani in London 1887 ,Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
1890年、56歳になったカピオラニ女王は、亡き妹ケカウリケの遺言に従い、
ハワイの女性が安心して出産できる病院を開設しました。
彼女は8,000ドルを集めて、ケカウリケの家の跡地である
ウルラニにカピオラニ産院 Kapiʻolani Maternity Homeを建設しました。
現在は、カピオラニメディカル病院 Kapiʻolani Medical Center for Women and Childrenとなり、
女性、乳幼児、子供のための最先端技術を持った専門病院となっています。
Kapiʻolani Medical Center for Women & Children
開院から半年後の1891年1月、最愛の夫であるカラカウア王がサンフランシスコで亡くなり、
王位は妹のリリウオカラニに移りました。
その後、カピオラニ女王は、ワイキキの別荘「プアレイラニ」で静かに余生を過ごしました。
王朝崩壊後、ハワイがアメリカの準州になる1年前の1899年に64歳で亡くなり、
ホノルルのマウナアラにある王家の墓にカラカウア王とともに埋葬されています。
Queen Kapiʻolani ,Artist Jack Bailey, Displayed at Queen Kapiʻolani Hotel
公園や病院だけでなく、学校や道路、庭園、ホテルなどにもカピオラニ女王の名前が付けられており、
彼女の功績は今もなお、ハワイに生き続けています。
「Kūlia i Ka Nu’u」、最高のために努力をする。
カピオラニ王妃の好きな言葉だそうです。彼女は慈善活動を通じて、
常にハワイの人々の健康、教育、幸福を探求しました。
Queen Kapiʻolani, Artist Holly Young
今もなお、カピオラニ公園にある女王の像は、
ワイキキの海を眺めながら、ハワイの人々を見守っています。